イチローのパートナーも太鼓判!

 阪神は10日、中継ぎ右腕ランディ・メッセンジャー投手(28=マリナーズ)の獲得を発表した。1年契約で年俸60万ドル(約5100万円)プラス出来高。退団したアッチソンに代わるセットアッパーとして期待される。間近で同投手を見てきたマ軍の森本貴義アシスタントトレーナー(36)は「日本向きの投手」と証言。性格も紳士で結果を残せる好投手だと太鼓判を押した。米国に続く城島とのバッテリーで活躍を狙う。(金額は推定)

 右の長身セットアッパーで勝利の方程式を担う男に太鼓判が押された。阪神は198センチ、119キロのメッセンジャーと正式契約を交わし、この日、正式発表となった。レッドソックスに移籍したアッチソンの代役候補は「阪神タイガースの一員に慣れたことは、大変誇りに思うし、正直興奮している」とコメントを寄せた。今季のアッチソンは75試合で5勝3敗、防御率1・75と圧倒的な数字を残したが、メッセンジャーにはそれを埋めるだけの素地がある。

 太鼓判を押すのは、イチローのパートナーでもある森本貴義氏だ。同投手が所属したマ軍で04年からアシスタントトレーナーとして選手たちを支え、今春のWBC日本代表トレーナーも務めた。その経験豊富な森本氏はこの日、大阪市内で講演を終えて、虎の新助っ人について言及した。

 「日本に向くいい投手だと思う。背が大きいパワーピッチャーでボールに角度がある。日本にはあまりいないと思う」と証言。さらにその性格について「アッチソンに似て穏やかなタイプ。それもいいと思う」と成功を予言した。マ軍に在籍したアッチソンも知る同氏だけに説得力はある。

 森本氏が分析した「紳士タイプ」は、阪神で成功した助っ人投手に見事に合致する。ウィリアムスも、アッチソンも、マウンドでは剛球を武器に打者を牛耳った。ただグラウンド外では謙虚な紳士だった。日本という異国で成功するために必要な素養が新助っ人にもある。

 城島の存在も大きな追い風だ。球団は11月13日に補強リストを城島と検討。沼沢球団本部長は「城島の強い推薦があった。(契約して)城島もすごく喜んでいた」と話した。マ軍に在籍したアッチソンの日本での適性を見抜いていた城島が、実際にボールを受けて推薦した長身右腕だけに成功の予感が漂う。

 メッセンジャーも「シアトルでチームメートだった城島選手が、阪神と契約したことも私にとっては幸運なことだと思っている。メジャーでは彼に受けてもらい、学ばせてもらったことが多くあった。同じチームで再びバッテリーが組めるのも光栄だ」と話す。

 南球団社長は「上背があって球が微妙に動く。力のある投手でウチが探した選手と合致する」と期待した。守護神藤川につなぐ10年版勝利の方程式。イチローのパートナーも認めた長身右腕が、セットアッパーとして重要なピースを埋める。

 [2009年12月11日10時51分

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