巨人坂本勇人内野手(21)が21日、川崎市のジャイアンツ球場で10年シーズンへ向けて始動した。年内のテレビ番組収録やイベントが一段落してスイッチを切り替え、微熱があったにもかかわらず予定通りマシン打撃を早速こなした。昨オフは年明けからバットを握り始めたが、今オフは2週間早くスイングを解禁した。

 37度の微熱があることは忘れていた。坂本は本能の赴くままにバットを握り、約1カ月ぶりにスイングした。再会した“相棒”の感触をかみしめるように振り抜いた。「時間があったので、久しぶりにバットを振りたいなと思って。体調?

 鼻がつらいですね。でもシーズン中もこういう時があったし、微熱だから大丈夫です」と充実した表情を浮かべた。

 禁を破った。昨オフは年明けのジャイアンツ球場での自主トレでスイングを解禁。年内はウエートトレに重点を置いていた。2週間以上早いスイング開始は、来季への強い決意が込められている。1軍に定着した昨季から「1軍で3年やってこそだと思う」と言い続けていた。来季は実質3年目。野球人生が懸かった1年と位置づけている。

 マシン打撃を選択したことも変化だった。例年はティー打撃で振り込み、マシン打撃に移っていた。「体と目慣らしですね。腰の回転を意識して打ちました」。昨年1月のグアム自主トレで、阿部からアドバイスを受け下半身を意識したスイングを習得。シーズン中の感覚を思い起こすように、約50スイングした。

 今オフも多忙を極めた。テレビ番組の収録、取材などが舞い込んだ。それでも子供たちとの野球教室には率先して参加。「僕も小さいときに野球選手の姿を見て、ああいうふうになりたいなぁと夢見た。今度は自分がやってあげたいんです」と笑顔を見せる。

 来季の目標には「3割・20本塁打」と「フルイニング出場」を掲げている。バットは現段階では今季と重さ、型ともに同タイプを使用する予定だという。「動けるときは動いていきますよ」。変化と不動心を融合させた坂本が、10年シーズンに向けて走りだした。【久保賢吾】

 [2009年12月22日8時16分

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