中日のドラフト1位左腕岡田俊哉投手(18=智弁和歌山)が11日に1軍合流することが、分かった。この日、読谷球場での2軍練習で初めて打撃投手を務め、オール直球の35球を投じた。打者2人に対してヒット性の当たり5本の内容を首脳陣が称賛。とんとん拍子で「1軍昇格テスト」を受けることが決まった。岡田は「負けたくない」と同世代で同じ左腕の西武雄星にもライバル心を抱き、1軍のステージでの勝負に燃えている。

 キレのある直球をテンポよく投げ込んだ。プロ入り後、初めて務める打撃投手。岡田はブルペン同様、物おじせず左腕をしならせた。細身の体から繰り出した35球に、首脳陣も絶賛の嵐。さっそく11日の1軍合流が決まった。

 将来のエースと期待される“天才左腕”が、早期出世で1軍切符をつかみ取った。この日の投球を見守った小林投手コーチが「順調に来ている。何も問題ない。今日のような内容であれば1軍に呼ばれる可能性もある」とし、稲葉投手コーチも「何も直すところはない。そのまま投げればいい」とにんまりした。11日の練習メニュー表で岡田の名前は、北谷球場で行われる1軍メンバーに書き込まれた。1軍ブルペンで投球練習し、“昇格テスト”を受ける。チャンスを自ら広げた打撃投手後に岡田の声もはずんだ。

 岡田

 まずはストライクが入って一安心です。まっすぐだけはキレのある球を投げたいと思っていたので。思いっきりいきました。始めの方は球が高めに浮いていたけど、(捕手の)吉田さんに『高いよ』と言われて修正できた。自分にとってはすごく良い経験でした。けがには気をつけてこれからも頑張りたい。

 1軍チャンスをその手でたぐり寄せ、堂々の宣戦布告も飛び出した。これまでは表に出すことを控えてきたが、同世代投手へのライバル心が燃え上がった。

 岡田

 キャンプに来てからもスポーツニュースはいつも見ている。毎日、雄星(西武)ばっかりですね。僕から見てもひじが柔らかくて下半身の使い方がうまい。もちろん、いつかは負けたくないというのはある。

 名前を挙げたのは注目を集める同じルーキー左腕だった。甲子園で知り合い何度か会話を交わしたこともある仲。キャンプ序盤はライバルに1歩後れを取ったが、出世競争で負けるつもりはない。逆襲の開幕1軍へ。岡田にとってはきょう、第1関門となる1軍昇格テストが大注目だ。【桝井聡】

 [2010年2月11日10時53分

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