魔球がベールを脱ぎ始めた。オリックスは10日、沖縄・宮古島キャンプで初の紅白戦を実施。岡田彰布監督(52)はサイド左腕の延江大輔投手(21)の投球にうなった。紅組の3番手で登板。先頭の4番北川を歩かせたが、浜中、大村、バルディリスを内野ゴロで片づけた。指揮官は「ストライクゾーンにいけば、あんだけ変化しよる。(バットの)芯を外れてゴロになる」と、打者の手元で内へ外へ変化する投球に、にんまりした。

 制球力はない代わりに、岡田監督が「4種類ある」と驚く、予測不能な直球が魅力だ。昨秋から注目し、実戦でその威力を再確認できた。ブルペンでは「ど真ん中に放っておけばいい」と指示し、長所を引き立てるのに必死だ。「シュートかと思ったらカットして内に来る」と三ゴロに倒れた浜中は首をひねり、ミットを真ん中に構え続けた辻は「どっち来るか分からない。こう回転がむちゃくちゃ」と、指で8の字を書いた。

 4年目の延江は「日によって変化が違う。カット気味だったり、沈んだり。高速ナックルみたいな感じ」と自らの魔球に自信を深めた。中継ぎの整備がテーマの岡田オリックスで秘密兵器になる可能性が出てきた。

 [2010年2月11日11時14分

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