<ヤクルト3-9ロッテ>◇10日◇神宮
ロッテのドラフト1位ルーキー荻野貴司外野手(24=トヨタ自動車)が、走攻守で猛アピールし、開幕2番中堅に1歩前進した。まずは足だ。1回1死、死球で出塁すると、3番井口の初球で二盗に成功。足で揺さぶって、井口の先制2ランを呼び込んだ。井口からは「荻野が走ると点が入りやすい」と評価された。6回にも二盗を決め、初の2盗塁。6、8回には相手外野陣の浅い守備位置にもかかわらず、二塁走者として単打で果敢に本塁生還。チーム最多の4得点だ。
守っては4回2死一、三塁から、鬼崎の右中間への打球をランニングキャッチ。マウンドの唐川は「『あっ』と思ったら捕ってくれました。助かります」と感謝した。
バットでは4回にプロ初本塁打を放った。カウント2-1からスライダーを左翼席へ2ラン。アマチュア時代は指2本分余らせたグリップを、プロでは手のひら分、短く握っている。それでも、体の回転を意識する金森打撃コーチの指導を忠実にこなし、甘い球ならスタンドインさせるパワーも披露。2番打者としてはセンター中心の打撃をする場面とあって、西村監督は「本塁打?
そんなもんいらない」と言いながら「でも、安打の延長だからナイスバッティング」と、目を細めた。8年目の早坂との中堅レギュラー争いは佳境に入った。開幕スタメンへの意欲を問われ、荻野貴は「狙っていきます!」と言い切った。【金子航】
[2010年3月11日9時10分
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