<オリックス1-2巨人>◇13日◇京セラドーム大阪

 巨人坂本勇人内野手(21)が、オープン戦初アーチを放った。3回2死、金子のチェンジアップを左翼席に運んだ。「抜けてきたボールをしっかり呼び込んで打てました」。オープン戦17打席連続無安打など、打率1割台に低迷していたが、ソロ本塁打を含む2安打1打点で完全復調を印象づけた。

 人知れず、重圧と闘っていた。オープン戦3戦連続無安打で終えた3日の中日戦後、ホテルのスイングルームで素振りを繰り返す坂本がいた。隣には小笠原。多くの選手が部屋に戻る中、小笠原の助言に聞き入った。「あれこれ考えていてもダメ。やるべきことをやって、それでダメなら納得できる」。心中穏やかではなかったが、一振り一振りに思いを込めた。

 試行錯誤の裏で、体重も激減していた。約80キロでキャンプを迎えたが、キャンプ中に約5キロ減。「減りすぎですよね。シーズンまでに少しでも戻さないと」。帰京後は、すぐさま焼き肉店に直行。ハラミ、タン塩に加え、普段は注文頻度の少ないカルビも注文。大盛りご飯を2杯平らげ、増量に努めた。

 試合後は「いいピッチャーから打ててうれしいです」と吹っ切れたような表情で答えた。原監督は「今まで通り取り組んでくれればいいと思います」と信頼を寄せた。「状態は良くなってきていると思います」。不動の1番打者が、シーズンに向けてトップギアに入ってきた。【久保賢吾】

 [2010年3月14日8時50分

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