浜ちゃんがカリカリ岡田監督を救う。オリックス浜中治外野手(31)が今日27日、今季初めて1軍に昇格する。カブレラが左わき腹痛で登録抹消、ラロッカも右手小指先端の骨折を抱えて打撃不振のチーム事情で、浜中に切り札として白羽の矢が立った。阪神時代の07年オフ、岡田彰布監督(52)の決断でオリックスに放出しながら再び巡り合った愛弟子が、師匠を助ける。

 救世主に指名されたのは、浜ちゃんだった。今日からの日本ハム戦(札幌ドーム)に備え、関西空港から飛び立ったナインの中に浜中の姿があった。前日25日まではウエスタン・リーグ中日戦(岡崎)に4番左翼で出場し、この日のスカイマークでの指名練習に急きょ参加。左翼守備と打撃練習に励み「とにかくチームに貢献できるよう頑張ります」と覚悟を込めた。

 「外野がおらんからな。T(岡田)が一塁守備などで抜けたら外野がおらんようになるから」と岡田監督。小林チーフコーチは「ウエスタンで残している数字(打率2割5分、1本塁打)以上に状態はいいと報告を受けています。今は得点が入らなくて苦しいときだから」と明かした。相手先発との相性などで、先発起用の可能性も浮上する。

 岡田監督が2軍打撃コーチで阪神に復帰した98年に入団2年目の浜中と出会い、以来同じユニホームで成長を見守った。07年オフ、平野の交換要員として浜中放出を決断したのはほかならぬ岡田監督。「今のままではレギュラーはやれん」と厳しい言葉で送り出したが、2人の縁は切れてはいなかった。オリックスで再び監督、選手として再会。09年に出場26試合で6本塁打、12打点にとどまった浜中を岡田監督は「まだ衰える年やないやろ」と再生させる意欲を見せていた。

 開幕から29試合目。投手陣の炎上やタイムリーエラーで噴火しっぱなしの岡田監督を鎮めるのは愛弟子浜中しかいない。【堀まどか】

 [2010年4月27日11時4分

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