<中日6-3巨人>◇9日◇ナゴヤドーム

 巨人の投壊が止まらない。先発ディッキー・ゴンザレス投手(31)が中日打線につかまって7回途中4失点でKOされ、2番手山口鉄也投手(26)を除く4投手が12安打、6失点で敗れた。2ケタ被安打は球団ワーストの9試合連続となった。強力打線の援護もあってこの9試合は大型連敗もなく4勝5敗で乗り切ってはいるが、2位阪神の追い上げをしのぐには投手陣の奮起が欠かせない。

 9戦連続で2ケタ安打を許した巨人の「投壊」は、先発ゴンザレスの1球の失投から始まった。1-1で迎えた7回。先頭和田への初球だった。真ん中高めに浮いたスライダーを、首位打者を争う強打者が見逃してくれるはずはない。完ぺきに打ち砕かれ、勝ち越しソロが左翼席へ吸い込まれた。その後もブランコ、谷繁に安打を打たれて降板。3番手の久保が3連打を浴びるなど、リリーフ陣も踏ん張れず。結局この回、致命的な5点が入った。

 2カ月以上勝ち星のないゴンザレスは5連敗で8敗目を喫した。昨季は無傷の4勝をマークした中日戦もこれで3連敗となり「調子は良かった。あの1球は本当に悔やまれる」と、唇をかんだ。緊迫した投手戦の明暗が分かれたポイントについて、伊原ヘッドコーチは「吉見は失投せず、ゴンちゃんは失投したということ」と、険しい表情で振り返った。

 不振にあえいでいるのはゴンザレスだけではない。2ケタ被安打が続くここ9試合、先発投手陣の1試合平均投球回は5回に満たない。この“しわ寄せ”は、リリーフ陣の肩に重くのしかかる。チーム最多、今季41試合目の登板となった久保は「反省しています。疲れ?

 大丈夫です」と言い訳を口にしなかったものの、明らかにコンディションを落としている。

 不安な投手陣を自慢の打線でカバーしたいところだったが、苦手にしている中日吉見に力負け。7月に入り2勝5敗と失速し、気が付けば2位阪神が1・5ゲーム差まで迫ってきた。正念場を迎えた原監督は「ゴンザレスはこういうピッチングをしていれば必ずいい形、いいリズムになっていきますよ。(リリーフ陣も)反省して次につなげてくれるでしょう」と必死に前を向いた。【広瀬雷太】

 [2010年7月10日8時41分

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