1軍登録を抹消中のソフトバンク馬原孝浩投手(29)が28日、再生キャンプを開始した。3日間のオフを経て福岡・雁の巣球場での2、3軍合同練習に参加。走り込み中心のメニューを約2時間こなした。不調で24日に2軍降格した守護神が、徹底した下半身強化を図って復活を目指す。

 早く投げたい!

 はやる気持ちを抑え、馬原はただ走り込んだ。3日間の特別休暇を経て再出発することになった。24日ロッテ戦で開幕から5試合連続で失点。まさかの2軍降格を命じられた。再生に向け、まずは下半身をつくり直すことになった。2、3軍の若手にまじって、必死に体を動かした。

 「早く立ち上げていかないと思うけど、ボールを持つと、どうしても焦ってしまう。軽いキャッチボールはしていくけど、しっかりと(下半身を)つくり直したい」。

 小川一夫2軍監督、加藤伸一2軍投手コーチと今後について話し合った。結論は「何も決めない」。練習メニュー、場所については、馬原の意思が尊重される。1軍復帰の期限も設定されない。無期限での2軍調整となるが、メニューはすべて本人が選択する「オレ流調整」となる。

 体ができあがった時点で2軍戦の試合に登板。本人が守護神として復活できる手応えをつかめば、1軍復帰となるプランだ。

 「いきなり1軍だったら、体がバリバリに張るので」。

 プロ2年目の05年から不動の守護神として通算161セーブをマークした。けが以外では初の2軍降格となる。10日深夜に母孝子さん(享年57)が、がん性髄膜炎で死去し開幕日の12日に告別式に出席した。不調の原因は調整不足もあるだろう。だが、下を向くひまなどない。母の死は絶対に言い訳にはしない。「再生キャンプ」を完全復活へのきっかけとするだけだ。

 「(首脳から)1日でも早くと言われている。自分もそういう思いだ。ただ、中途半端な形で1軍へ上がっても意味はない。しっかりと調整したい」。

 150キロを超える直球。落差のあるフォーク。球界を代表するストッパーであることは間違いない。再びマウンドで輝くため地道に体を鍛え直す。