阪神が、今季国内フリーエージェント(FA)を初取得した中日小池正晃外野手(31)をリストアップしていることが9日、分かった。補強方針に投手と外野手を掲げて、人的補償が不要な低年俸の外野手中心に注目。小池に加えて、西武佐藤友亮外野手(33)オリックス赤田将吾外野手(31)らについてFA権行使の是非も含めて動向をチェックしていく。

 阪神が、中日小池を外野手補強の候補選手としてリストアップしていることが明らかになった。チームは和田豊監督(49)を迎えて、世代交代とともに、チーム力のアップに着手している。ベテランと若手が混在している外野陣の現状を踏まえて、31歳と脂が乗り切った小池の動向に注目している。

 小池は、横浜3年時にレッドソックス松坂らとともに甲子園春夏連覇を達成。98年ドラフト6位で横浜に入団した。08年にトレードで落合監督率いる中日に加入した。パンチ力がある打撃と、堅実な守備でチームに貢献してきた。

 今年7月6日にはナゴヤドームで阪神福原から逆転満塁弾を放ち、虎ファンを絶望の淵に追いやったのは記憶に新しい。今季はレギュラーシーズンで73試合に出場して、打率2割6分8厘、5本塁打、21打点の数字をマーク。広いナゴヤドームで鉄壁の守備を誇る中日外野陣の一翼を担ってきた。勝負強さを発揮するなど、その仕事ぶりに定評がある。本職の外野以外に一塁など複数ポジションをこなす器用さもある。

 阪神では来季、外野のレギュラーを巡って、若手の俊介、柴田、田上らが激しいサバイバルを展開する様相を呈している。さらにドラフト1位で指名した慶大・伊藤隼太外野手(22歳=中京大中京)もその候補に入ってくる。小池の実績と堅実な守備があれば、競争はさらに激化して、チーム力の強化につながる。

 チームは投手と外野手を補強ポイントにする方針を固めている。和田監督は、10月28日の就任会見で目指す野球について「ホーム球場の器にあった野球、広い甲子園に対して投手力を含め、センターラインをしっかりと強化した守りの野球です」と口にしている。現有戦力の底上げにプラスして、スパイスが加われば、チームに大きな化学反応が起きる可能性もある。

 チームは、人的補償の必要がない年俸Cクラスの外野手を中心に、補強候補のリストアップ作業を行っている。小池に加えて、西武佐藤友、オリックス赤田らも候補に入ってくる。FAの宣言期間は、日本シリーズ終了翌日からスタートする。FA権を行使するか否かも含めて、その動向をチェックしていく。