オリックス森脇浩司新監督(52)が15日、神戸市内のほっともっと神戸で秋季練習をスタートさせた。岡田前監督とは対照的に、コミュニーション重視の姿勢を強く打ち出した。

 監督初仕事から精力的に選手たちに歩み寄って、声をかけた。野中、川端、大引、坂口、T-岡田…。時には身ぶり手ぶりを加えた。「大事なのは選手にどう向き合うか。選手のレベルを上げるために、コミュニケーションは欠かせない。こっちの思いを伝える、相手を知ることが必要」。大引、坂口、T-岡田にチームの柱として自覚を求めて「厳しく注文することもあるが、それがチームを強くする」と直接、伝えた。

 岡田前監督は選手に厳しく接し、選手との会話は少なめだった。T-岡田は「(岡田前監督の)3年間は対話はあまりなかった。監督の方からしてもらえれば、気になったことも聞けると思う」と口にした。

 練習前の円陣では約10分間、訓示。来季のAクラス入りを目標に掲げて、チーム一丸を求めた。一方で選手1人1人に高いプロ意識を持たせるために、今季は後藤が担ったキャプテン制は廃止する方向。来季のキーワードには「スピード」を挙げた。「Aクラスに入ることは並大抵のことではない。正しい練習をして、選手を強くすることが一番。それにはコミュニケーションは欠かせない」と決意表明した。【益田一弘】

 ◆森脇浩司(もりわき・ひろし)1960年(昭35)8月6日、兵庫県生まれ。社(やしろ)から78年ドラフト2位で近鉄に入団し、広島、南海・ダイエーで内野手。96年に引退。通算843試合、244安打、14本塁打、75打点、打率2割2分3厘。97年コーチ就任。ソフトバンク在籍の06年、王貞治監督が胃がん手術で休養した際に監督代行を務めた。巨人コーチを経て、今季からオリックスコーチ。今オフ監督に昇格。右投げ右打ち。