<広島6-1阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 異例の救援登板が実現した。前日6日の広島戦が雨天となった影響で、ルーキー藤浪晋太郎投手(18)はこの日、ブルペン待機。先発岩田が3回3失点とまさかの早期降板となり、黄金ルーキーの中継ぎでの出番は回ってきた。

 「焦って肩を作ったけど、いつも通り、しっかり肩を作れました」。目標に挙げる広島前田健との投げ合いも実現した4回裏だ。先頭堂林への初球はいきなりの151キロ。2球目はボールになったが、プロ入り後最速の152キロをマークした。最後も外角低めへの148キロ直球で豪快な空振り三振。この回をあっさり3人で退けた。

 5回は1死から四球で走者を出すと、課題も見せた。次打者ルイスに中越え適時二塁打を浴び、続くエルドレッドへの初球で三盗を許した。2死からも連続四球と制球を乱すシーンも。「慣れないところで力んでしまい、ムダな四球が多かった」。それでも最後は、カットボールで堂林を見逃し三振。最少失点でとどめ、2回4奪三振1失点だ。

 今回の救援登板は、次回先発までの間隔をあけないための「緊急措置」。今後は先発ローテーションに戻り、14日DeNA戦で甲子園のマウンドに立つ予定。42球と球数が少なかった分、中6日でのブルペンを3回に増やし、調整していく方向だ。走者を出してからの問題点は「練習でやっていけば、すぐに直せるよ」と中西投手コーチ。「次につなげます」(藤浪)。貴重な経験を積んだ右腕は、聖地でのプロ初勝利へ、つなげてみせる。【山本大地】