バルよ、お前もか…。オリックスが、アーロム・バルディリス内野手(30)との残留交渉が難航していることが27日、分かった。今季主に5番打者として活躍した同選手との交渉が11月中にまとまらなければ、保留者名簿から外れ、他球団との交渉が可能となる。4番李大浩内野手(31)の退団がすでに決まっており、主軸打者2人が流出する大ピンチに陥った。

 オリックスが今季の4番、5番ダブル流失のピンチに陥った。この日、球団納会に出席した瀬戸山球団本部長は、バルディリスとの交渉状況について「チームにとどまってもらうよう交渉中」と話したが、厳しい情勢にあることを認めた。

 オリックスはこれまで、バルディリスの代理人と交渉を重ね、複数年契約などの希望を受け入れてきたという。だが、今季推定年俸5000万円の同選手側は、今季142試合に出場し、打率2割8分9厘、17本塁打、91打点と実績を残したことから、2年4億円程度の大型契約を求めているもよう。条件面で両者の隔たりは大きい。

 11月末までにこの溝が埋まらなければ、バルディリスは保留者名簿から外れて他球団との交渉が可能となる。打てる三塁手は需要が高いことから、退団となれば国内球団で争奪戦となる可能性もある。

 オリックスでは、今季141試合で4番を務めた李大浩内野手(31)の退団が既に決定。71試合で5番打者として勝負強い打撃を見せたバルディリスまで退団するとなると、2人合わせて182打点、今季チームの総打点485点のうち、実に4割近くを失うことになる。

 西名球団社長はこの日「投手はそろっているので打者を補強しなければ」と“ポスト李大浩”獲得に全力を傾けると話した。いい選手がいれば、用意した3年12億円以上という「李大浩資金」にプラスアルファすることも示唆したが、その前に課題の打線にさらに大きな穴が開く恐れが出てきた。