楽天の補強第1弾は手薄な先発投手だ。新外国人選手として、レンジャーズからFAとなったトラビス・ブラックリー投手(31)の獲得が濃厚であることが18日、分かった。米球界関係者によると、近くメディカルチェックを受ける。問題がなければ、合意に至る模様だ。

 ブラックリーはオーストラリア出身の左腕で、今季は8月中旬までアストロズでプレー。その後、レンジャーズに移籍した。ア軍では主に中継ぎとして42試合に登板。防御率4・89を残した。メジャー通算では、82試合で9勝9敗、防御率5・23。先発で26試合に投げており、チームに手薄な先発左腕として期待できそうだ。

 星野監督とは、浅からぬ縁がある。北京五輪代表監督だった07年11月22日、オーストラリア代表との強化試合第1戦(福岡ヤフオクドーム)に先発したのが、ブラックリーだった。3回3安打1失点で負け投手になったが、1回の攻撃で“事件”は起きた。一塁走者の西岡が、ブラックリーの巧妙なけん制に刺された。試合後の星野監督は「強烈なけん制を受けてド肝を抜かれた。ダッグアウトでは、みんなが『あんなのありかよ』と。器用すぎる。ちょっと戸惑った」との感想を漏らした。当時は星野JAPANを苦しめた技が、今度は連覇を目指す星野楽天の強力な武器となる。

 ◆トラビス・ブラックリー

 1982年11月4日生まれ。オーストラリア・メルボルン出身。00年マリナーズ入団。04年メジャー昇格。07年ジャイアンツ移籍。その後、数球団を経て11年は韓国KIAでプレー。12年、米球界復帰。アスレチックスで先発ローテに入り、6勝を挙げた。メジャー通算は82試合で9勝9敗、防御率5・23。192センチ、93キロ。左投げ左打ち。