60ホーマーの力は、やっぱりケタ違いだった。ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が15日、浦添キャンプでスコアボード越え150メートル弾と左中間ネットを越える場外弾を放ち、スタンドのファンをどよめかせた。昨季はストッパーも務めた山本哲哉投手(28)から、5スイングで4打数3安打。佐藤打撃投手からは18スイングで12安打、柵越えが8本だった。

 1軍投手の生きた球を打つのは初めてだった。3球目にバットを折り、この後の5球は「手がしびれた」と見送り。2本の安打性の後も8球を見送った。「今日は打つというより変化球の軌道を見たり、目を慣らしたかった」と説明。投手の球を打ちたいと志願していた。

 打撃投手からは豪快な当たりを連発。バックスクリーンには越えたものも含め3本だった。「風だよ。でも日に日に自分らしいスイングになってきた。毎年のペースに追い付いたかな」と満足そうに話した。

 1月は不法侵入などで逮捕され準備は遅れたが、早くも取り戻した。22日の楽天とのオープン戦では一塁手としてスタメン起用を明言した小川監督も「(スコアボードを)越えたのは初めて見た。今日は自分でテーマを持って調整をしていたんでしょう」と、ひと安心の表情を見せていた。【矢後洋一】