阪神が6日、広島とのCSファーストステージにむけ先発ローテを固めた。昨季登板のなかった能見篤史投手(35)は、第2戦(12日)にスタンバイすることが濃厚。今日7日には、みやざきフェニックス・リーグDeNA戦(生目第2)に先発予定だ。実戦感覚を養い、登板機会がなく終わった昨季の屈辱を晴らす。

 能見は静かに闘志を燃やした。今日7日にみやざきフェニックスリーグDeNA戦に先発予定。実戦感覚を維持させ、中4日で12日のCS第2戦に照準を合わせることが濃厚となった。宮崎に出発前の甲子園での全体練習では、キャッチボール、ダッシュ、打球捕で汗を流した。登板のテーマを問われるとはっきり答えた。

 能見

 感覚自体はね、そんなに間隔が空いているわけではないし。ただしっかり決めるところは自分で決めて。いろんなカウントによって意識づけをね。

 3イニング、打者一巡ほどの調整登板は確認作業だ。追い込んでからの決め球フォーク、右打者の内角直球。ケースごとに攻め方を再確認し、それを再度インプットする。もはや結果は度外視。いいイメージだけを膨らませて、本番のマウンドに向かうことになる。

 2連敗した昨季は3戦目でスタンバイしており、CSでの登板機会はなかった。チームも2連敗。屈辱の敗戦のなかでも、虚無感に襲われた。オフの間も「CSのことは僕に聞かないでください」とコメントを避けた。ただ今回は違う。第2戦はファイナルステージ進出を決める一戦になり得る一方、負ければ終わりのマウンドにもなる。

 好相性も要因となり、重要なマウンドを託されたとみられる。広島戦今季3戦で防御率1・71。ファーストステージを勝ち進んだ場合は、間隔をつめて巨人戦に待機することも可能。5人目の先発を用意せず、Gキラーと呼ばれた能見を中4日で起用することも可能というわけだ。

 メッセンジャーが甲子園で残留することになり、宮崎では投手陣の軸を岩田、藤浪とともに担うことになる。昨季の悔しさを忘れたことはない。投手陣を背中で引っ張る。その向こうに、CS突破が待っているはずだ。【池本泰尚】