広島ドラフト6位の日南学園・中崎翔太投手(18)は、今夏から「マエケン体操」に取り組んでおり、元祖の前田健に異例の“許可”を願い出る。5日、日南市内の同校で指名あいさつを受け、ホッとした様子。「広島の前田健太投手や中日にいた川上憲伸投手のような投手になりたい。(前田健の印象は)キレのある真っすぐをピンチでいつも打者の胸元に投げ込める。魅力的ですね」と声をはずませた。

 10月30日に自転車で日南キャンプを見学。初めて直接見て「筋肉がとても締まっています」と感銘を受けていた。今季、リーグ3冠王に輝いたノウハウを吸収すべく、中崎はテレビで見た「マエケン体操」を今夏から投球時に取り入れているという。「練習前や投げる前に試しています。肩甲骨が柔らかくなりますから」。いまや日課になっているが新たな不安もある。

 プロでもグラウンドで実践する気構えだが「許可をもらってやりたい…」と言う。前田健の“専売特許”だけに、元祖におうかがいをたてるというわけだ。

 伝え聞いた背番号18は「ダメです!

 いやいや、全然、やってもらっていいですよ。僕のものというわけじゃない。聞いてもらえれば教えます」と笑顔で快諾した。今季、話題を集めた名物体操で、中崎が立身出世の足掛かりを築く。【酒井俊作】