ボクシングのWBC世界フライ級王者内藤大助(35=宮田)と同級3位亀田興毅(23=亀田)の世界戦(29日、さいたまスーパーアリーナ)のパブリックビューイングが、東京・新橋駅前SL広場で行われることが25日、分かった。設置されている大型ビジョン「FARO

 CITY

 VISION」でTBS系列の全国生放送をそのまま流す予定で、関係者によれば、同地での格闘技中継は街頭にテレビを置いていた昭和20年代以来となるもようだ。

 同地では54年2月に力道山、木村政彦組対シャープ兄弟の一戦が街頭テレビで放送され、約2万人がテレビの前にくぎ付けになった。関係者は「この世紀の一戦をテレビの歴史の1ページに残すため、市民が最もテレビに熱狂した当時の盛り上がりをもう1度、ということ」と企画意図を説明した。

 力道山の時代はテレビがまだ高価だったため、街頭テレビが人気を博していた。当時と時代背景が異なるとはいえ、国民的王者の内藤と次男大毅の敵討ちでの2階級制覇に燃える長男興毅の試合の注目度は、日ごとに高まっている。「街頭テレビの聖地」である新橋が、力道山時代の熱気に包まれるかもしれない。