関脇照ノ富士が休場した。4日目に琴奨菊に寄り切られ「力が入ってないな。しょうがないっす」と話していた。今場所10勝すれば、大関に復帰できたが、4連敗では…。幕内の休場者は今場所6人目、今年の総数で延べ30人となった。03年の同31人以来の多さで、平成以降で年間30人を超えたのは、02年の39人を含めて3年しかない。

 当時は世代交代が一気に進んだ。横綱貴乃花が01年名古屋場所から7場所連続で全休、02年九州場所も全休、03年初場所途中に引退した。横綱武蔵丸、大関の栃東、千代大海、魁皇らも休場が目立った。一方で、大関朝青龍が02年九州場所で初優勝、03年初場所で連続優勝して横綱昇進を決め、時代をたぐり寄せた。

 休場者が多いから世代交代が進む理屈はない。しかし、今場所の横綱、大関は白鵬が5戦全勝を守っているが、鶴竜が4場所連続で、日馬富士も3日目から肘の負傷で休場。3場所連続休場明けの稀勢の里はこの日、松鳳山に土俵際で逆転の突き落としを決め、ヒヤヒヤながら3勝2敗で白星を先行させた。「今日の(白星)はだいぶでかいんじゃないかと思います」。御嶽海、阿武咲、貴景勝…。新星の勢いを感じながら、横綱、大関の苦闘が続いている。【加藤裕一】