改名を機に「敗北」のイメージを拭い去る。史上ワースト89連敗の記録を持つ、東序ノ口28枚目の服部桜改め勝南桜(しょうなんざくら、22=式秀)が、改名後初の取組に臨んだ。西序ノ口27枚目大陸山になすすべなく押し倒され、昨年初場所の6番相撲から76連敗となったが「冷静に取れた」と気持ちを切り替えた。

生まれ育った神奈川県茅ケ崎市への思いから、昨年11月場所中に師匠の式秀親方(元前頭北桜)に改名を志願した。当初は「湘南桜」だったが、師匠の提案で「勝南桜」に。下の名前も高校生棋士、藤井聡太2冠から取って「聡太」にした。自身もスマホのアプリで遊ぶなど将棋が好き。縁起を担ぎ「希望通りのしこ名です」と声を明るくした。

「勝」「南」のそれぞれ対義語は「敗」「北」。師匠の式秀親方(元前頭北桜)によると「『敗北』となったのは後で気付いた」と、偶然だったという。師匠は「名前を変えたいと聞いてやる気になってるんだなと感じた。稽古も一生懸命やっているので、これから頑張ってほしい」と期待。通算3勝210敗となったが、勝南桜は「勝ちにこだわりたい。今年で通算10勝くらいはあげたい」と目標を設定した。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)