新型コロナ感染拡大の収束が見えない中、あらゆる感染防止策を講じて本場所が開催されている。1月の初場所では、直近で陽性反応が出るなどした協会員らが所属する、計5部屋の力士らが全休の措置を取られた。思わぬ形で休場となった力士に、休場中の心境を聞いてみた。

炎鵬は角界入りして初めて、大相撲中継をじっくり見たという。昨年春場所から4場所連続で負け越し、初場所では十両に陥落。気持ちは沈んだが「お客さん気分で見ることができた。こういうのもいいなと思った」と気持ちの切り替えにつながった。「やっぱり相撲が好きなんだなと。自分には相撲しかないと思った。やるしかないとポジティブになれた」と心機一転の機会となった。

都内で家族と暮らす千代の国は、外出自粛に伴い、1月中は部屋にも行かず自宅で過ごした。「炭水化物を抜いて体重が増えないようにした」と摂生を心がけ、3キロ増までに抑えた。魁聖は、趣味のゲームで遊ぶ時間を削った。これまでは深夜近くに及ぶこともあったが「(午後)10時にはやめてる。しっかり寝るようになった」と体調管理に努めている。おのおのが自身を見つめ直す機会となった。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)