全国大会で数多くの実績を誇る静岡・飛龍高相撲部で新チームから創部約50年で初となる女性主将が誕生した。九州場所で新入幕の熱海富士(20=伊勢ケ浜)の妹、武井陽奈(ひな)さん(2年)だ。監督の栗原大介教諭は「過去の実績と練習への取り組み方が他の部員の手本になっている」と期待して抜てきした。

「相撲センスは兄より妹」というのが周囲の声。小中学校の頃から数々の全国大会で表彰台に上がった陽奈さんは、3歳年上の兄と同じく飛龍高に進学。相撲部では男子部員らに交じって稽古に励み、今年4月に国際女子相撲選抜大会の軽量級で3位に輝いた。

主将に就いたことに陽奈さんは「他校の生徒たちとかから『女子で大丈夫なの?』とか言われちゃうのかな」と不安もある。自主性を重んじながら強豪校に上り詰めた同校の伝統を受け継ぎながら、部員たちをどうまとめるか。個人競技の性質が強い相撲だが、大会では団体戦もある。自分の成績だけではなく部員一同で団体優勝をつかみ取りたいといい「女子でも大丈夫なんだということを見せたい」と意気盛んだ。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)