WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(21=畑中)が5日、WBA同級王者田口良一(30=ワタナベ)の“応援団長”就任を宣言した。次戦は統一戦に絞っているが、ターゲットの田口が次戦で指名試合を行うことが濃厚。「今回だけは田口選手の応援団長でいきます」と語った。

 田中は5月20日に挑戦者アンヘル・アコスタを判定で退け、初防衛に成功した。その際、テレビ中継解説で会場を訪れていた田口にラブコールを送り、事実上OKの返事をもらった。ところが、田口はWBA本部から次戦で同級1位ロベルト・バレラの挑戦を受けるよう指示を受けた。

 田中は「田口選手に勝ってもらわんと話にならんですからね。(バレラは)全然知らないけど、難しい相手でしょ?」とライバルの動向を案じる。畑中清詞会長(50)も「(田中と田口の)2人がお互いに『やりたい、やりたい』と言ってる。(統一戦)実現に向け、最大の努力をしていきたい」とバックアップを誓っているだけに、人ごとではない。

 田中はこの日、名古屋市の同ジムで練習を再開。約2週間のオフを忘れ去るように約1時間、シャドー・ボクシング、サンドバッグ打ちなどに汗を流した。2週間のオフの間、防衛戦の反省など考えを整理した。「田口選手とやれるとしても、まだまだ先の話。当面は自分を高める練習をしていきたい」。体幹強化や、あまりこなしていないサウスポーとのスパーリングなども今後のメニューに入ってくる。

 7月2日には、6階級制覇王者のスーパースター、パッキャオの防衛戦をオーストラリアで観戦する予定。「生でスーパースターを見たいですから。憧れの気持ちが強くなるかも」。将来的には「海外での試合(世界戦)も実現させます」と語るなど、やりたいことは山ほどある。その第1歩となる統一戦実現へ、田口の勝利を切に願っている。