ボクシングの元3階級制覇王者八重樫東(34=大橋)が現役続行に前向きな姿勢をみせた。

 25日に横浜市内のジムで開かれた、株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営する「Makuake」での大橋ジムのプロジェクト発表会見に出席。5月21日のIBF世界ライトフライ級王座3度目の防衛戦でミラン・メリンド(フィリピン)に1回TKOで敗れ、進退を考えてきたが、「試合をするには覚悟が必要で。その覚悟を作らないといけないですが、(大橋)会長と話し合って決めたい。やりますと言えば、会長も一緒になって戦ってくれると思う」と胸中を述べた。

 5月の試合直後が翌日から練習に出るなど、悔しさが体を動かしたが、時がたつにつれて「モチベーションが薄れていった」時期もあったという。体、家族の事も考え、自問自答の日々。この1カ月間はグローブもつけず、トレーニングからも離れていた。ようやく気持ちが固まりだしたのは先週からで、筋力トレーングをやり始めたばかり。「いままでのダメージが気になってくる年齢でもありますが、もう1度体を作ってみたいと思って」と心が動いた。

 大橋会長は復帰には慎重な姿勢を見せてきた。本人の意志、体のことも考慮し「止めるのも私の仕事」と述べるが、もし続行するなら「復帰するなら4階級制覇。一発勝負でもそれしかない」と伝えた。八重樫も、「僕のキャリアは挑戦ばかりだったので、最後に会長がそういう挑戦を作っていただけるなら。どこまでも挑戦するのが僕のスタイル」と意欲をみせていた。復帰の場合は、スーパーフライ級での挑戦となりそうだ。

 正式に進退を発表するのはもう少し先にはなりそうだ。拓大の先輩である前WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志が今週中に進退を明らかにする見込みで、「先輩をお手本にしてきて、先輩の背中を見てきたので先輩の結論を見てから自分の気持ちも含めて考えたい」と話した。