Qちゃん脚のリトル・タイソン誕生!? ボクシングのWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が13日、同級6位トマ・マソン(フランス)を迎える初防衛戦(22日、両国国技館)へ練習を公開した。ひときわ目を引いたのは太ももの筋肉。ぜい肉がそぎ落とされ、幾重にも分かれた代物に「最近、良い脚だと言われる。硬さ比べの世界タイトルないですかね」とおどけて自慢した。

 指導する野木トレーナーは、「あんな脚は、Qちゃんしか見たことがない」。シドニー五輪女子マラソン金メダリスト高橋尚子さんを指導した小出監督の門下生だっただけに、その共通点に目を見張った。「練習量のたまもの」と、王者戴冠後にさらなる肉体強化で追い込み、超一流の脚を手にした比嘉に目を細めた。

 その脚を生かすために、試合では「リトル・タイソン」になる。身長が10センチ大きいマソンに対し、攻略のヒントを元ヘビー級王者マイク・タイソンに得た。10センチ以上大きい相手と試合が多かったが、上体を振ってパンチをかいくぐり、懐に飛び込み強打を打ち込んだ。鍛え上げた脚力の踏み込みの鋭さで、同じ展開を作る。「勝つのは前提で、倒すための練習をしてきてますから」。太ももに目をやりながら、爆発の時を思い描いた。【阿部健吾】