大仁田厚(60)が、7回目の引退を表明して臨んだ引退試合「大仁田厚思い出の聖地・後楽園ホール最期のデスマッチ!! ストリートファイト トルネードバンクハウスデスマッチ」で16分48秒、サンダー・ファイヤー・パワーボムからのエビ固めでNOSAWA論外を下し、引退試合を勝利で飾った。

 大仁田は鷹木信悟(ドラゴンゲート)、KAI(フリー)とタッグを組み、藤田和之(46)、藤田の代理人ケンドー・カシン(49)、NOSAWA論外のはぐれIGF軍と対戦。大仁田はリングインするカシンに水をぶっかけた。

 さらに、有刺鉄線バットを突き上げた藤田を“邪道革ジャン”で殴りつけると、そのまま場外戦へ…。大仁田は藤田にエルボーの打ち合いを仕掛けたが、逆にパワーで勝る藤田のエルボーを浴び、場外を“市中引き回し”同然に引きずられた。その後、大仁田はリングに戻り、論外、藤田にパイプ椅子で殴りかかった。藤田に反撃され、リング外に落ちた。

 再びリングに戻ると、リング上に置かれた長机に、論外をパイルドライバーでたたきつけたが、その後は藤田のパワー攻撃に押され、コーナーポストに押しつけられ、顔面を踏まれ、顔面は血だらけ。

 その後は、藤田に有刺鉄線を巻いた机にたたきつけられ、論外に有刺鉄線バットで殴られた。さらに、カシンを含めた3人に、リング上で蹴りまくられる“公開リンチ”の屈辱を受けた。さらに、論外にギターで脳天を殴られた。

 9分を過ぎたところで鷹木とKAIがリングに戻り、3人を蹴散らすと、大仁田も復活。有刺鉄線バットを振るおうとした藤田に、真っ赤な毒霧を浴びせた。そして、鷹木とKAIが場外でカシンと藤田を押さえたところで、論外と一騎打ちとなった。

 大仁田は、論外がサンダー・ファイヤー・パワーボム4連発を返すと、パイプ椅子でめった打ち。15分が経過したところで、大仁田は机の破片で論外の脳天を殴り、5たび、論外にがサンダー・ファイヤー・パワーボムを仕掛けたが、それでも論外は返した。ただ、6回目は返せず、大仁田がフォール勝ちした。

 大仁田は、泣きながら「論外! 論外! 論外! ありがとよ」と叫んだ。そして、リング側に殺到したファンに向け、口から“聖水”を吐き、水をまき、感謝の思いを伝えた。

 そして「こんなウソつきで弱い男に、応援ありがとうございます。そんな大仁田に1つだけ、いいところがある…それは夢を諦めないこと。夢を諦めるな!!」と絶叫。

 さらに、リング上に上がった男の子に「空気を読めよ!! 将来、何になりたい?」と詰め寄り「プロレス」と答えると「プロレスラーになれよ! 1・2・3…ファイヤー」と絶叫した。【村上幸将】