来年1月4日の東京ドーム大会でIWGPヘビー級王座のベルトを争う2人が火花を散らし続けた。

 内藤哲也率いる「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」は高橋ヒロム、BUSHI、東京ドーム大会で挑戦を受ける王者オカダ・カズチカは「CHAOS」の外道、ウィル・オスプレイを従えての3対3の30分一本勝負。

 ゴングが鳴る前、背中を向けていた内藤をいきなりオカダが襲撃し、ジャーマンスープレックスでマットに沈めて口火が切られると、場外でも2人が絡み合う。オカダは、内藤を鉄柵に何度も打ち付けて痛めつける。反撃を許さない。

 この日のオカダはいら立ちを隠さないように、猛烈に攻め立てる。最後も内藤に変形コブラクラッチを仕掛けてCHAOS軍の分断に成功。オスプレイがBUSHIから3カウントを奪っても絞め技を極め続ける非情さに、試合終了のゴングが何度も打ち鳴らされた。

 ぐったりと倒れ込む内藤を尻目に引き上げたオカダは、「いや~、まだなのかなあ、スイッチが入るのは。まだ焦んないかな、まだ分かんないかなあ」と気にくわない様子。1月4日に向けた前哨戦を戦い続けているが、内藤の態度が気にくわない。焦りはなく、「トランキーロ(あっせんなよ)」と繰り返す姿に、オカダはへきえきする。「俺は焦ってるんだよ! ガンガンいかせてもらうよ」。この日の集中砲火は、内藤に強引にでもスイッチを入れさせるためだったようだ。

 一方の内藤は試合後、高橋に背負われて控室に消えた。果たして、一方的なやられ方が内藤の何かを変えさせるのか。師走を控え、東京ドームに向けた戦いは熱さを増していきそうだ。