日本プロレス界最大のイベント、新日本プロレスの1月4日の東京ドーム大会「レッスル・キングダム」まであと9日となった。全10カードが組まれる中、シングルで懸けられるベルトは27回目で過去最大の5つ。正月の風物詩を前に、「新日の王位たち」で伝統、因縁、戦略が絡むベルトを紹介する。第1回はIWGPヘビー級とジュニアヘビー級について。

 新日本プロレスの「顔」、ヘビー級を巻いた選手こそ看板だ。現在8度防衛中のオカダ・カズチカが65代目。30年前、87年6月12日に初めてベルトを巻いた初代は団体創始者のアントニオ猪木だった。世界に乱立するベルトを1つに統一して真の世界王者を作るべく自ら設立したIWGP=International Wrestling Grand Prix。81年から始まったリーグ戦の第5回大会が行われた87年に、ヘビー級がタイトル化された。

 団体認定の選手権試合は、体重で2階級を設けており、ヘビー級100キロ以上、ジュニアヘビー級が100キロ未満。後者のベルトはヘビー級に先駆けて86年に設けられ、初代は越中詩郎、現在は79代目としてマーティー・スカルが保持する。

 記録ではヘビー級の最多防衛は棚橋弘至の11回で、通算回数も28回で最多。デビュー最短での獲得は中邑真輔の1年4カ月で、23歳7カ月の最年少記録も持つ。来年1月4日のメインに登場する現王者オカダは、保持期間の最長記録を更新中で(試合日に564日)、12年の初戴冠時は中邑に次ぐ歴代2位の24歳3カ月の若さだった。まだ30歳にして、偉大な先輩らに比肩し、追い抜く可能性を秘めている。【阿部健吾】