IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、同タイトル史上2位タイとなる10度目の防衛に成功した。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)のSANADAをレインメーカーで沈め、32分12秒の死闘を制した。棚橋弘至の持つ最多記録V11に並ぶ舞台に、団体旗揚げ記念日3月6日の東京大会(大田区総合体育館)を挙げ、挑戦者に同ジュニアヘビー王者ウィル・オスプレイを指名した。

 乗りに乗るL・I・Jから、内藤、EVILに続く3人目の刺客も、オカダは退けた。SANADAの変則スリーパーSkull・Endに1分以上耐え、すべてを受け切り、ツームストン・パイルドライバーからレインメーカーという必殺フルコースで締めた。「SANADAさん、なかなか強かったですけど、オレの方が何千倍も強いんだよ、コノヤロー」とほえた。

 L・I・Jの“勢い”は認めつつ「でも、ブームは結局僕のおかげじゃないですか? 僕がいなくなったら、ブームはなくなる」という。87年の初代王者アントニオ猪木以降、初めて2度も年を越した王者には、絶対の自信がある。

 棚橋の持つ11連続防衛記に王手をかけたが、大きな意味を感じない。「それはついで。それより“すげ~プロレス”をどれだけ見せることができるか」。ファンが望むカードを提供するのが、王者の務め。だから、舞台を3月6日の旗揚げ記念日に設定した。「46年前はアントニオ猪木対カール・ゴッチ。今度はそれがオカダ対オスプレイになる」。IWGPのヘビーとジュニアの頂点同士の戦いで、今度はファンに夢を与えるつもりだ。【加藤裕一】