ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が挑戦者の立場を歓迎した。

 昨年8月にV13を阻まれた王者ルイス・ネリ(メキシコ)との世界戦(3月1日、両国国技館)へ、15日に都内のジムで5回のスパーリングを消化。

 グローブを従来の日本製からメキシコ製に変えることを明言しているが、他の変更点を聞かれると、「最初に入場するくらいですかね。どんな感覚なんですかね。でも、場内が暗くなるじゃないですか、チャンピオンが入ってくるとき。その時にコソコソ動ける。体が暖まると思うんですよ。1ラウンド目に向けて、大事ですよね」と意外な効能を口にした。

 たしかに、長く王者として後からの入場を続けてきた。挑戦者の青コーナーに陣取るのは、11年11月、王座戴冠したエスキベル(メキシコ)との王座決定戦以来、実に6年4カ月ぶりにもなる。違和感はあるだろうが、ウオーミングアップという観点から前向きにとらえていた。

 試合まで2週間となり、減量も順調に進んでいる。「以前は、その前の試合の減量ペースなどもチェックしていたんですが、今はやらなくても大体合っている。2週間前の体重は毎試合変わらなくなってますね」とベテランらしい調整状況を口にした。さらに「今回はやるべき事が決まっている。迷いはないですね」とネリ対策も着々。ぬかりなく、雪辱あるのみだ。