ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、いよいよ3階級制覇に挑戦が決まった。

 5月25日に東京・大田区総合体育館で、WBA世界バンタム級王者ジィミー・マクドネル(31=英国)に挑戦することが、6日に都内で発表された。井上はすでに同級1位にランク入りしていた。国内から6人目の3階級制覇達成を狙う。

 井上はバンタム級でのスタートで、5度防衛で人気のある王者を相手にタイトル戦となった。「すごくうれしい。モチベーションが上がった」とビッグマッチ実現にもろ手を挙げて喜んだ。

 この階級には「日本のファンになじみもある。ボクも小さいころから見ることが多かった階級。このステージが楽しみ」と話した。1・3キロのアップになるが「その中で練習量も筋肉量も増やせ、幅も広がる。今の体にあっている」とベストウエートを強調した。

 さらにスーパーフライ級では7度防衛したが「それ以上を防衛したい。デビューから言ってきた、具志堅さんの13度防衛を更新したい」と、堂々と日本新記録達成まで宣言して見せた。

 マクドネルは14年5月に王座決定戦で世界初挑戦して王者となった。昨年11月にはバッティングで試合続行不可能となり、無効となったのが最新試合。それまで5度防衛に成功し、ボクシングが盛り上がっている英国の中でも人気がある。

 身長が178センチ、リーチが183センチと、井上はいずれも13センチと14センチ劣る。「そこだけを気にして練習していきたい。正統派で後半まで粘るボクサー。足腰、体を強化し、似た選手とのスパーを積んでいく」という。父の真吾トレーナーは「懐も深い。距離をキープしての出入りが大事」と話した。

 大橋会長は「チャンスがあれば誰でも思っていた。即決した。減量の苦しみが和らぎ、より強い井上が見られる。興奮している」と、ジムからは八重樫に続く3階級制覇を確信していた。