WBC(世界ボクシング評議会)は12日(日本時間13日)、元バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)と対戦した1日の同級タイトルマッチで体重超過のために王座剥奪となった前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)を同日までに聴取したと発表した。WBCは既に無期限資格停止の処分を科し、日本ボクシングコミッション(JBC)は日本でのボクシング活動を永久に停止させると発表している。

 試合はネリが2回TKO勝ちし、敗れた山中が引退を表明したが、コンディション面での理不尽な差は大きく、王座剥脱覚悟だったとも取られかねないその姿勢に大きな批判が集まっていた。ネリは前回対戦で山中から王座を奪った後の昨年8月下旬にも、ドーピング検査で陽性反応を示したことが判明していた。

 発表された声明では、WBCのマウリシオ・スライマン会長が体重超過問題を徹底的に調査すると宣言。いかさままがいのトレーナーやフィジカルトレーナーによる安全ではない練習方法への注意喚起を促し、ネリが実践していた「水分過剰」による減量方法についても言及。7キロの水に加えて特別な「ミルクシェイク」を一気に摂取するような減量法が、ネリをつぶしてしまったと指摘した。同会長は「第三者による不確かな提案を進んで受け入れるようなボクサーは、ボクサーとしてふさわしくなく、リスクにさらされる。この問題については調査していきたい」とコメントした。