初防衛に成功したWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、またもや持ち前のユーモアセンスを発揮した。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を右ストレートを軸にして攻め立て、8回にダウンを奪ってTKO勝ちした直後。勝利者インタビューでおどけてみせた。

 フジテレビの田中大貴アナウンサーがマイクを向けて「たたかい…、戦いたい相手は?」とかみながら聞くと、ニヤリ。即座に「たたかい相手は…」と切り返して、会場にはすぐに暖かい笑いが広がった。「あ、普段のノリになってますね」と自分へのツッコミも入れると、きちんと「ゴロフキンを目指してやりたい」とミドル級3団体統一王者の名前を挙げて、再び会場を沸かせてみせた。

 振り返れば、昨年10月のタイトルマッチのアッサン・エンダム戦でもユーモアは光っていた。7回終了時に棄権によるTKO勝ちでベルトを手にすると、直後のインタビューでは田中アナから「初めて泣いている姿を見ました」と聞かれると、「泣いてません」と赤い眼でニヤリとして見せた。なんとも絶妙なセンスある切り返しは、競技だけでない村田の魅力を見た人に伝えた。

 初防衛戦の舞台でもきっちり「持ち味」を披露した。この先もどんな勝利者インタビューが聞けるか楽しみだ。