同級2位斉藤裕太(30=花形)が同級4位菊地永太(32=真正)を2回2分33秒TKOで下し、2度目のタイトル挑戦でベルトを手にした。

「スタミナが切れたらしょうがない」と初回から手数多く前に出ると、右のクロスを的中させ、「感触があった」と強気全開。2回にはさらに集中打を浴びせて、ロープ際に詰めて猛ラッシュ。レフェリーストップを呼び込み、「リングに上げるのが夢だった」と3人の子供を抱え、涙を流した。

12年の新人王MVP。「すぐに日本王者になれると思ったけど、そんなに甘くなかった」とその後は苦戦が続いた。昨年8月には王者だった赤穂亮にタイトル初挑戦も、9回TKOで逆転負け。再起戦となった2月のノンタイトル戦でも黒星を喫し、「俺はここまでの人間かと。心が折れてもうできないと思った」と引退を決意した。

翻意したのは、直後に舞い込んだ朗報だった。赤穂のタイトル返上で空位となった王座に、再挑戦できる機会がもたらされた。6月に予定された村中優との一戦は村中の体調不良で直前でキャンセルとなったが、気持ちを切らさずにしっかりと今回の決定戦へつなげた。