ボクシングの元世界3階級王者で昨年大みそかの引退を経て、8日(日本時間9日)に米カリフォルニア州イングルウッドで1年5カ月ぶりの復帰戦に臨む井岡一翔(29=SANKYO)が6日、現地のジムで公開練習を行った。佐々木修平、イスマエル・サラス両トレーナーの見守る中、ミット打ち、シャドーボクシングなど軽めのメニューで汗を流した。

井岡は現在スーパーフライ級でWBA世界2位。今回は軽量級をメーンにしたイベント「SUPERFLY3」で、WBC、WBOの同級3位マクウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)と対戦する。「(引退発表時は)アメリカで試合をやることは考えてなかったけど(2月に)SUPERFLY2を現地で見て、アメリカの空気、雰囲気に触れて“チャンスがあるなら”と思った。今回出場できることに感謝している」と意欲を語った。

とはいえ、不安材料は多い。前回の試合は17年4月23日、ノクノイに判定勝ちしたWBA世界フライ級のV5戦。09年4月のプロデビュー後最長ブランクがあり、スーパーフライ級に1階級上げての初戦。「(再び練習を)やり始めた時はブランクを感じたが(ここまで仕上げる過程で)全く問題なかった。(転級初戦にも)そこは深く考えていない。(自分の新しい部分を)言葉にするのは難しいけど、いろんな部分で広がったと思っています」という。

世界王座挑戦者決定戦といえる今回は、日本人初の世界4階級制覇に王手をかける戦いになる。「アメリカで4階級制覇を達成するのが、チャンスを与えてくださった方々への恩返し、僕が復帰した意味でもある。勝つのは当然だし、内容もしっかり出さないといけないと思う」。左腕には英語でタトゥーを入れた。理由は「決意」と明かした。3日後に迫った本番を「楽しみにしてほしい」と自信満々だった。