大みそかにマカオで行われるトリプル世界戦の前日計量が30日、試合会場のウィンパレスで行われ、IBF世界フライ級タイトルマッチで初の世界戦に臨む大阪市大大学院生の坂本真宏(27=六島)は、王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)と同じ300グラムアンダーの50・5キロでパスした。

計量会場ではフォトセッションがあり、坂本はタイトルマッチでよくある、両者が顔を近づける「フェースオフ(にらみ合い)」にも応じた。同ジムの枝川孝会長(54)の「2、3歩近づいて、メンチ切れ」との指令を受け、接近してから一瞬眉間にしわを寄せてみたが、同会長と武市晃輔トレーナー(37)から「人生初メンチやろ!」と“声援”が飛ぶと顔がほぐれて失敗に終わった。「やろうと思ったんですが、あの声掛けで崩れてしまいました。慣れんことしたらあきませんね」と苦笑いだ。

ただし、仕上がりは万全だ。過去の計量前夜はほぼ眠れなかったが、今回は武市トレーナーいわく「遅刻しよったんです」。

坂本は「初めてすっと眠れました。それやのに、朝5時ぐらいにものすごい音で起こされて“何や工事でもしてるんか”と」。ホテルの外に出てみると、ゴミ収集車が作業中だった。ついでに近くの24時間営業のスーパーマーケットに足を伸ばし、計量後のバナナを買って戻ってまた熟睡。そのせいで時間ギリギリまで寝てしまったとか。

4月1日のWBOアジアパシフィック・フライ級戦の計量は当日未明時点で1キロオーバー。サウナなどにこもり、ほぼ徹夜で体重を落とす大失態を演じた。そんな過去があるだけに、武市トレーナーも「過去最高です」とコンディショニングに太鼓判を押していた。