世界の期待を一身に背負った那須川天心(20)が、元ボクシング5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)に1回TKO負けを喫した。試合後、リングで号泣した那須川は「本気でいけると思っていたのでこんなに悔しいことはない。エキシビションマッチだけど心には一生残る。日本では自分しかメイウェザーを知らない。そういう経験ができたのは大きい。次に向けて頑張りたい」と前を向いた。

序盤に笑いながら挑む相手に右ストレートを打ち込むと急にギアが上がった。最後まで本気モードではなかったとはいえ、フェイントを使うなどプレッシャーをかけ重いパンチを何度も浴びせられ3度のダウンを奪われた。圧倒的な力差を見せつけられ「天心ならやってくれるかも」の周囲の淡い期待はあっけなく打ち砕かれた。「こめかみに打たれて頭がグラグラした。ただ、勇気を持って前に出ようと戦うつもりだったのでそれはできたと思う」と話した。

受けたダメージについては「今後、どう残るかは今まで経験したことがないから自分では分からない」と話した。