脳外科医のリングドクター田中将大(29=川崎新田)が、6日にプロボクサーとしてデビューする。東京・後楽園ホールでのミニマム級4回戦で、瀬下雄介(27=協栄)とデビュー対決。5日に都内での前日計量に臨み、両者とも一発でクリアした。

田中はリミットより300グラム軽い47・3キロでパスした。約5キロの減量中は尿の量や色、脈拍、皮膚の弾力などで経過チェック。2度発熱し、インフルエンザにおびえながらの診察だった。「きつかったが新鮮で楽しかった」と笑みを見せた。

上司の勧めで15年からリングドクターとなった。「選手に寄り添いたい」と17年にライセンスを取得。常勤病院を辞めてまでデビューにこぎ着けた。「試合することで選手の考え、ニーズを分かりたい。経験を助言などで還元したい」と話す。入場券がファイトマネーになるシステムに、支援の思いはより強まった。

「脳の揺れる感覚を、リングの舞台で存分に楽しみたい」。当日は誕生日で結婚記念日となる、眼科医のリングドクターうみ夫人も駆けつける。「こだわらないが勝つ気でいる」と白星で祝いたい。【河合香】