5月18日に英グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝に臨むWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が21日、合宿先となるグアムから帰国した。

18~20日の3日間で、午前は砂浜、午後には芝生で持久走やダッシュを消化。低酸素マスクを装着し、持久走は砂浜で8・5キロ、芝生で12キロ、ダッシュは2部練習で計60本ほど取り組んだ。時に手には1キロの鉄亜鈴を持って走ったことを明かし「毎日20キロは走りましたね。やりたいことはやり切ったという感じです」と大きな収穫を口にした。

帰国直前にはショッピングに出掛け、WBC世界バンタム級暫定王者の弟拓真、父真吾トレーナーと3人で資金を出し合い、おとこ気ある勝者が支払う「男気じゃんけん」で勝負。ルイ・ヴィトンのスニーカー対決で勝利した井上が全額、お支払い。続くグッチでのカバン対決では、真吾トレーナーが勝者となって全額を支払ったという。「拓真だけ無傷でおいしい」とリラックスした笑みを浮かべた井上は購入したヴィトンのスニーカーを履いて帰国した。真吾トレーナーは「アメとムチではないですが、きつい練習の先に楽しみがあった方がいい」と説明。心身ともに充実できた走り込み合宿となったようだ。

「想像以上の(合宿)メニューで『まだ走るんかい』というぐらいだった。スイッチが入りましたね」と井上。来月から再びスパーリングを再開し、4月上旬に国内で2次合宿を行う予定だ。既に試合視察しているものの、準決勝の相手となるIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)の対策も進める見通し。「少しずつ(ロドリゲスの動きを)頭に入れていきます」と決意を新たにしていた。