世界3階級覇者のWBO世界フライ級王者田中恒成(23=畑中)のターゲットの1人に元3階級王者・井岡一翔(29)が入っていることが11日、分かった。

田中は将来的に5階級制覇を見据えており、来年には4階級目のスーパーフライを狙う予定。井岡は日本ジム所属選手初の4階級制覇へ、WBO同級王者に照準を定める。どちらかが戴冠しての防衛戦、また王者決定戦など、タイミングと両陣営の思惑が合致すれば、来年にも「4階級制覇をかけた日本人対決」というスーパーファイトが実現する。

田中は11日、同級4位田口良一との初防衛戦(16日、岐阜)に向け、名古屋市内の畑中ジムで練習を公開。井岡について「(頭に)あります。1つ上の階級ですしね。ボクサーとして純粋にかっこいいし、尊敬しています」と明かした。「強い相手と戦う」という信念を貫くだけに、当然と言えば当然の発想。井岡の狙う団体が、田中が3階級を制したWBOという点も、対戦実現に向けてプラス要素だ。

とはいえ、田中は今年、フライ級に専念し、防衛戦3試合を行うプランを持つ。まずは16日、元WBA・IBFライトフライ級統一王者田口との初防衛戦。「田口選手はすべてをかけてくる。すごく厳しい試合。でも、前の試合(王座を奪取した木村翔戦)より、自信はあります。あの試合を乗り越えましたから」。木村戦に続くビッグファイトは16日に迫る。強者との戦い、誰もが見たい戦いを続けていけば、井岡戦もきっと実現する。