天龍源一郎(69)と越中詩郎(60)のプロレス界のレジェンド2人が21日、都内でトークイベントを行った。

全日本プロレス時代の苦労話、後に天龍が加わった平成維新軍での海外合宿など2人のプロレス人生の思い出話だけでなく、縁深いレスラーの話題にも及んだ。故ジャイアント馬場さんについて、天龍は「おれに言わせると馬場さんは悪い人じゃないですよ。いい人じゃないけど」と笑わせた。馬場さんの付け人だった越中は、富山の巡業中にホテルで偶然会ったサザンオールスターズの桑田佳祐があいさつに訪れたエピソードを披露。「向こうは直立不動で『馬場さん、お疲れさまです!』と言って、馬場さんは座って葉巻をくわえながら『あぁ、そう』って。で、桑田さんが帰った後に、『あれ、ゴダイゴか』と。僕はゴダイゴ知ってるのかと思った」と笑いながら、懐かしんだ。

現役引退を発表した獣神サンダー・ライガーについては、かつて新日本で「ドラゴンボンバーズ」を結成していた越中は「海外遠征に行く直前も、道場で2、3時間練習していたことがあって、これはすごいな、と。自分のそれに負けちゃいけないと思っていました」とジュニアの後輩をたたえた。

ファンからの質問にも応じ、つらい時に気持ちを奮い立たせるためのアドバイスを、との問いに2人はそれぞれ熱い答えを返した。天龍は「こんなところでへこたれてたまるか、と思えば足が1歩前に出ます。もういいと思えば、立ち止まる。立ち止まるというのは、後退すること。なにくそこのやろーと思えば、足が1ミリでも前に出る」と熱弁。越中は「僕は何回も(プロレスを)やめようと思ったし、地方にたくさん行く中で、鉄道を見る度に『これに乗って東京に帰ったら楽だなぁ』って、何十回、何百回も思った。でもその度に、好きな道で生きているんだから幸せなんだ、と自分に言い聞かせた。自分を信じること。いいことばかりじゃないからね。辛抱する、というのが大事」と万事を受け入れる大切さを語った。