ボクシングのWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が、雪の降る中で3日間の走り込み合宿をスタートさせた。

5月18日に英グラスゴーで行われるIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝を控え、1日には山梨・山中湖での強化合宿を開始。雪の舞う午後のトレーニングではWBC世界同級暫定王者の弟拓真(23=大橋)とともに山中湖畔のランニングコースを走った。

フィジカル面を担当する高村淳也トレーナー(45)の指導のもと、3日間で計100キロを走る計画。午前は富士山を眺めながらのランニングだったが、午後は気温3度、しかも雪が降り続けた環境下で走った。「気持ちが引き締まるというよりも凍える」と冗談を言いながらも、井上兄弟の両足は止まらなかった。故障防止のため、階段ダッシュを回避したものの、宿泊先に戻るとプールトレも敢行。井上尚は「へこむぐらいフィジカルはきついので、気持ちが強くなります」と過酷メニューの消化を前向きにとらえた。

1日に発表された新元号「令和」については「初の変わり目」と決意も新た。WBSS準決勝は新元号になるため「初めての日本人世界戦勝利とかは語り継がれると思います。もちろん語り継がれる、熱い試合をしたい」と意欲を示していた。