ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が競泳式調整でリマッチへ向けた万全のコンディションを整えた。12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦する。11日には大阪市内で計量に臨み、ブラントとともに計量クリア。3月の練習見学を通じて得た競泳男子の瀬戸大也の調整法を活用し、過去最高の仕上がりで王座奪回に挑む。

胸の内は穏やかだった。昨年10月のブラント戦前日と比較しながら、村田は自らの落ち着きぶりに気がつき「いら立ちがないですね」と口にした。昨年4月の初防衛戦以来、約1年3カ月ぶりの国内試合。「国内でやるプレッシャーはボクには必要なことだし、今回は感じています」と静かに闘志を燃やした。

充実した表情で言った。「すごく良いコンディションできています。プロにきて、これだけ自信あるのも初めて」。3月下旬、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターに足を運んだ。親交のある競泳男子の瀬戸にお願いし、練習見学させてもらった。瀬戸担当の佐々木秀男トレーナーによるフィジカル練習を視察。「泳ぎの練習で使わなかった筋肉を鍛えて、筋肉のバランスを整えていた。水泳練習の後に、フィジカルで練習時間も短く集中的。もらえる刺激は大きかった」。

すぐに、ジムワーク後にフィジカル練習を入れた。過酷なメニューとなったものの、ボクシングで使わなかった筋肉をすぐに鍛え続けるとスパーリングの好不調の波が減った。「すごくコンディションがいい」と本音で言えた。

計量パス後、約20秒間、ブラントとにらみ合った。次に対峙(たいじ)する時は再戦のリングとなる。同じ相手に2度も負けられない。「全部含めて絶対勝たなくてはいけない試合。絶対に勝ちます」。アマとプロで快挙を成し遂げてきた村田が、リベンジに集中する。【藤中栄二】