同級王者勅使河原弘晶(29=輪島)が、世界へ向けたサバイバルマッチを制した。世界挑戦経験もある同級3位大森将平(26=ウォズ)と対戦し、初回から先手をとって多彩な攻めで圧倒。最終12回にラッシュしてロープに追い込むとレフェリーストップ。12回2分36秒TKO勝ちで、2度目の防衛に成功した。

勅使河原はリングで泣きながら「この試合にすべてをかけてきた。気持ちでは絶対に負けない。後半倒してやろうと思っていた」と叫んだ。

勅使河原はIBF8位、大森もWBC15位の世界ランカー対決だった。どちらが同級で国内最強か、世界挑戦へ生き残りをかけた一戦。初回から先手をとって攻め、パンチも独特で多彩で大森を圧倒した。大森の左をもらったがひるまずに反撃。4回、8回の途中採点でリードを広げる。最終回も攻めて、5回KO宣言していた大森を仕留めた。

スパーリングは不調の上に、サウスポーの相手も見つからなかった。「負ける夢も見て、不安で不安で仕方なかった」と控室でも涙した。

そこへ元世界王者長谷川穂積氏が「いい試合だった」と祝福に来た。「長谷川さんのおかげ」と感謝。4、6月に2度神戸で、スパーリングもして指導を受けた。「左フックやウイービングや教えてもらったことができた。感謝しかない」。

大森とは12年の新人王で同期で、ともに東西の決勝に進出した。勅使河原は敗退したが、大森は全日本新人王になった。「今まで勝てないと思った1人が大森。これで国内トップでしょう」と胸を張った。