最速3階級制覇王者でWBAスーパー、WBO世界ライト級王者のワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が3団体統一に成功した。WBC王座決定戦も兼ねたWBC同級1位のルーク・キャンベル(31=英国)との防衛戦に臨み、11回にダウンを奪うなど主導権を握り続けて3-0(119-108、119-108、118-109)の大差で判定勝利。WBA王座3度目、WBO王座2度目の防衛、WBC王座獲得にも成功した。オリンピック(五輪)金メダリスト対決を制したロマチェンコは14勝(10KO)1敗、負けたキャンベルは20勝(16KO)3敗となった。

米老舗専門誌「ザ・リング」によるパウンド・フォー・パウンド(階級超越した最強王者)ランキングで1位に君臨するロマチェンコが「ハイテク(高性能)」と呼ばれるスキルを存分に発揮した。サウスポー同士の対決だ。身長差約5センチ、リーチ差14センチの劣勢を感じさせることなく、ロマチェンコが攻め立てた。キャンベルをのけぞらせるほどの速い右ジャブで主導権を握り、好機には強烈な左ストレートをねじ込んだ。11回にはボディーへの連打でダウンを奪った。

12年ロンドン五輪で2大会連続金メダルを獲得して以来、7年ぶりの英リングで3団体統一に成功したロマチェンコは「3本目のベルトはうれしい。素晴らしい試合を見てくれてありがとう。次はIBFのベルトを狙いたい」と満足そうな表情。今後は4団体統一に向け、残るIBF王座に照準を絞ることになる。契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOも「4つ目のベルトを取りにいくでしょう。また英国で試合してほしいですね」と後押し。ロマチェンコは「また英国でファイトしたい」と大観衆の声援に応じていた。