スピード挑戦で地方の星になれるか。ボクシングWBOアジア太平洋スーパーフライ級6位村地翼(22=駿河男児)は、21日に東京・後楽園ホールでプロ5戦目で初めてタイトルに挑戦する。

同級2位フローイラン・サルダール(30=フィリピン)との王座決定戦の前日計量が20日に都内であり、村地はリミットより100グラム軽い52キロでクリアした。サルダールは51・9キロだった。

「自信しかないです。キャリアは関係ない。シバキ倒したい」。計量を終えた村地は威勢のいい言葉を並べた。今回は三迫ジムに1カ月出稽古した。現役5人目の日本王者が誕生したばかりの勢いに乗る名門で、加藤チーフトレーナーの指導を受けた。「みっちりと指導してもらい、また自信がついた」。

中1でボクシングを始め、兵庫・西宮香風高時代にインターハイに出場し、東洋大に進学した。レギュラーだったがアマ戦績は16勝(1KO)16敗の五分。「アマでは恥ずかしい成績だが、プロでは関係ない」と言い切り、3年で中退してプロを目指した。前島会長に声を掛けられたのが縁で入門。昨年5月のデビューから、異例の早さでビッグチャンスを得た。

相手は30勝(21KO)3敗1分けのキャリアを持ち、世界ランカーの実力者だ。3敗もWBOフライ級王者木村翔(青木)にV2戦で6回KO、WBCバンタム級暫定王者井上拓真に判定負けなど。村地は臆することなく「気持ちは弱そう。ハートでは上。前半プレッシャーをかけて、ボディーを効かせたい」と、KO奪取でジムに初のベルトをもたらすつもりだ。