ミニマム級準決勝で、大橋ジムのホープ森且貴(19)が決勝進出を決めた。初鹿健吾(27=八王子中屋)と拳を交え、3-0の判定勝利を収めた。

序盤から距離を詰めて左ボディーをねじ込み「感触があった」と左フック、右ボディーで攻め込んだ。2回には左フックでダウンを奪取。試合の主導権を握ったが「前に前にではダメ。バックステップを交ぜていきましたが、倒したいと力んでしまった」とKOできなかったことを反省した。

今回、担当する佐久間史朗トレーナー(48)が他選手以上に時間を割いてジムワークをサポートしてくれたという。森は「その恩返しをしたかった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。これで4勝(1KO)無敗の通算戦績。所属ジムの大橋秀行会長(54)から「最軽量級なのだからKOしないと注目されないぞ」との指令を受けていたこともあり「倒したかった。まずKO率50%以上にしたいですね」と口調を強めた。

幼少時代から空手道場に通い、小、中学校と全国大会での優勝経験もある。茅ヶ崎北陵高からボクシングを始め、全国総体などに出場した。卒業後に兄元貴さん(22)が通っていた大橋ジムの門をたたき、元3階級制覇王者八重樫東、WBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥ら同門の先輩王者の背中を追っている。27日に控える別ブロックの準決勝、縄井愁(ワタナベ)-馬場裕一(FLARE山上)と勝者と11月3日、東京・後楽園ホールで拳を交える。森は「倒せるところをみせたい」と決意を口にした。