ボクシング元世界4団体統一クルーザー級王者オレクサンドル・ウシク(32=ウクライナ)が、ヘビー級転向第1戦に7回TKO勝ちした。

12日に米シカゴでチェズ・ウィザースプーン(38=米国)と対戦。左ストレートで試合を優位に進め、相手が7回終了後に棄権し、17連勝(13KO)となった。

ウシクは97・5キロまで増量したが、12キロ重い相手に初回は慎重だった。スピードとテクニックに足を使って、徐々にペースをつかむ。右ジャブから左ストレートを何度も打ち込んだ。4回以降はコーナーに追い込んで連打を見舞って、ダウンは奪えなかったものの快勝した。

当初は元キックボクサーで14戦全勝(13KO)のWBO6位タイロン・スポーン(34=スリナム)と対戦予定だった。違反薬物が検出されたために、急きょウィザースプーンが代役だったが、ベテランは左目の周りを腫らし、ダメージが徐々に蓄積してのギブアップとなった。

ウシクは08年北京五輪は8強も、12年ロンドン五輪でヘビー級金メダルを獲得した。13年にはプロに転向し、16年のWBOを皮切りに、昨年のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)で4団体を統一していた。相手が不在にヘビー級に参戦を表明も、5月に予定していた試合がケガで延びていた。

ヘビー級は実力者がそろい、盛り上がりを見せている。WBC王者デオンタイ・ワイルダー(33=米国)、WBAスーパー、WBO、IBF王者アンディ・ルイス(30=同)に、元王者のアンソニー・ジョシュア(29=英国)とタイソン・フューリー(31=英国)が奪回を狙う。

ウシクはそこへ殴り込みをかける。米国デビュー戦前にWBO1位、WBA2位とランク入り。その実力を示したが、190センチとヘビー級ではそれほど大きくないサウスポー。巨漢ぞろいの新旧王者が並ぶ戦線で2階級制覇なるか。12月7日のルイスとジョシュアの再戦の勝者に対戦する可能性が高い。