ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が、初防衛成功に向けた“村田流”目標達成シートをまとめた。23日に横浜アリーナで同級9位スティーブン・バトラー(24=カナダ)とのV1戦を控え、5日には都内の所属ジムで練習を公開。試合まで残り2週間半の段階で、必要な行動と要素を整理したことを明かした。

通常のジムワークを終えた村田の頭は、いつも以上に明快だった。MLBエンゼルス大谷翔平投手で有名な「目標達成シート」を例に挙げ「やるべきことを分割してやっていこうと思っている。必要なこと、やることをシンプルに」とうなづいた。<1>体のキレ<2>減量<3>コンディショニング<4>相手にプレッシャーをかける技術確認<5>疲労回復<6>パンチ力<7>メンタル<8>バランス、との8項目を意識しているという。

「整理して散らかさない方がいい。AB型のせいか、ボクは散らかるから。試合でやるべきことを重点的に。忘れないように。やらなくてはいけないことを2週間半やれば」と気を引き締めた。

体調管理のため、家族と離れたホテル生活は5週間続く。「過去最長かもしれない」と孤独な生活を続けるのは、10月までWBO1位だった強打のバトラーを強く警戒している証明でもある。村田は「しっかり手を出して、相手が嫌になるまで殴る。嫌になるほど殴られる前に倒れてくれればいいんですけど」と冗談交じりに試合展開も膨らませた。シンプル頭脳になった村田が、年末V1戦に向けて最後のギアを上げる。【藤中栄二】