急きょ決まったカードが超満員の後楽園を熱狂させた。

この日のメインでワールド・オブ・スターダム王者岩谷麻優(26)にSareee(23=ディアナ)が挑戦する予定だったが、前日7日にSareeeの急性腸炎および感冒による発熱で欠場が決定。代わりに岩谷と、元スターダム所属で、マーベラスのエース彩羽(いろは)匠(27)の2年ぶりとなるシングルマッチが行われた。

岩谷は、170センチの恵まれた体を持つ彩羽の力強いキックや投げ技に苦戦。ぼろぼろになりながら、直前に長与千種から伝授された必殺技ランニングスリーを仕掛けるも彩羽の体を持ち上げられず。最後は彩羽にランニングスリーを見事に決められ、20分49秒で3カウントを奪われた。

試合後、岩谷はマイクを手にすると「こんな形でやると思わなかったけど、試合してくれてありがとう」と手をさしのべ、握手。「完敗。このまま負けっぱなしでいることは嫌なので、赤いベルト挑戦してきてください」と挑戦者に指名した。彩羽は、自分が長与から伝授されるまで何年もかかったランニングスリーを岩谷がすぐに教えてもらったことに「ずるいよね」と嫉妬。「(ランニングスリー)意地でもあげさせません。赤いベルト挑戦させてください」とその場で快諾した。

バックステージで彩羽は「挑戦するからには本気でベルト取りにいきますよ。スターダム面白くなりますよ」と基本的に鎖国体制を取るスターダムからのベルト奪取を宣言。「ブシロードさんがついて、1団体だけトップにのしあがろうとしている。そこを引きずり下ろす団体がいても面白くないですか?」と団体抗争であることを強調した。師匠長与は「面白かった。いい試合だったね」と彩羽をねぎらうとともに、「岩谷のやられっぷりは天下一品」と絶賛。タイトル戦も前向きに考える姿勢を示した。

岩谷は、2月23日名古屋大会でこの日挑戦表明したジャングル叫女と3度目の防衛戦をすることが濃厚。岩谷と彩羽との団体の威信をかけたタイトル戦について、スターダムのロッシー小川エグゼクティブプロデューサーは「落ち着いてから」と少し先になる模様だ。